2025年外交青書のワードクラウド

【国際協調・多国間枠組み】G7、WTO、安保理、SDGs などの語が大きく、国際ガバナンスや多国間協調の話題が中心であることがうかがえる。
新興国・地域横断の視点】グローバル・サウス、インド太平洋(※出現頻度は上位例に比べ控えめ)といった語が確認でき、地域横断的な視座が含まれている。
【技術・安全保障トピック】AI、サイバー関連語(例:サイバーセキュリティ)や経済安全保障に関わる語が散見され、テックと安全保障の交差領域がテーマの一部になっている。

単にワードクラウドだけを指示しても、助詞や助動詞、接続語などがついてきて読みにくいものが出来た。形態素解析の考え方などを新たに指示するなどして、品詞ベースに名詞・固有名詞のみ抽出して読みやすくする等の工夫が必要なことが分かった。それでも「国際情勢」が「際情」になってしまうなど、名詞が途中で削れているものが散見された。抜き出し方を追加で修正指示しなければならないことも新たな発見であった。

図解

図1 営業の成功と失敗

解説:営業はアポイント取得から始まり、事前準備が提案の質を左右する。質の高い提案は顧客の関心を引き、商談成立へとつながる。一方、準備不足は不備を生み、顧客の不信を招き失敗に至る。初動の質が結果を大きく左右する。

図2 営業モデル5タイプ(顧客ヒアリング起点)

解説:顧客ヒアリングを起点に5つの営業タイプの成果の違いを示している。チャレンジャー型は潜在課題を発見し、インサイト提供で顧客の思考を変え、安定的な高成果を実現。他のタイプは信頼重視(状況依存)、活動量重視(不安定)、既知課題対応や受動的対応(限定的)に留まる。能動的に価値を創出するか否かが成果の差を決定する。

ロボットに課税すべきか


1. 問いと立場

 「ロボットに課税すべきか」について、私は条件付きで賛成の立場を取る。人間と同じ仕事を同じ質でこなし、しかも人の手を離れ自立して暮らす“アンドロイド”が一般化したときに限って課税すべきだ。理由は、生活費や社会参加のための負担を、人だけでなく自立したロボットも公平に分かち合う必要が生まれるからである。

2. 用語の定義と課税対象

 ここでの「ロボット」は、まずは工場や店舗で働く産業用ロボットとする。理由は、数が多く影響が広く、稼ぐ力や費用が比較的はっきり数字で追えるからである。
 課税対象は、ロボットという資本ストック(持ち物そのもの)にかかる負担とする。ただし、今ある税との関係を整理する。法人税は会社の利益に、固定資産税は機械などの持ち物に、消費税は売買に、社会保険料は人の雇用に結びつく。そこで新税は、人を置き換える度合いが高いロボット資産の“上乗せ固定資産税”として位置づけ、人の雇用が残る分は既存の社会保険料を通じて扱う、という役割分担にする。

3. 主要論点の整理

労働代替と雇用・賃金:短期では人の仕事が置き換わりやすい。長期は新しい仕事も生まれるが、移行までの“谷”に支援が要ることになる。
税の中立性・ゆがみ:課税が強すぎると投資が止まる。弱すぎると人よりロボットが極端に有利になる。中立に近づける調整が要点となる。
生産性・成長:自動化は生産を増やし価格を下げ、皆の得になる面が大きい。課税はその利点を壊さない強さにとどめる必要がある。
財政と再分配:雇用が減ると税や保険料が細る。そのため、新税を再教育や地域の雇用づくりに回し、痛みを小さくする。
実務運用:何をどこまで“人の代わり”と数えるか、重ね取り(二重課税)や国際逃避を防ぐ設計が必要。

4. 簡易モデル/事例

 ある工場でロボット導入により人件費が20%減、同時に生産量が10%増とする。投資額は1億円、通常は5年で回収。ここにロボット上乗せ固定資産税 年0.5%を課すと、年50万円の追加負担。価格は大きく上がらず、回収年数は約5.1年に延びる程度。雇用は一部減るが、新税の使い道が再訓練に回れば、社内の保全・データ管理などの新職へ移しやすくなるだろう。
 また事例として、例えば実店舗のセルフレジや工場の協働ロボットでは、人の作業を減らしつつ、品質検査や顧客対応など人の強みを伸ばす配置転換が進んでいる。新税はこの“移す力”を後押しする役割とするべきである。

5. 反対意見・限界の検討

 ロボット課税には現状「投資を抑えて競争力を下げる」「定義や測定が難しい」「海外移転や租税回避の恐れ」「二重課税の懸念」などの批判がある。これに対し、税率を低く限定し、導入初期や研究開発は優遇することで投資を守る必要が出てくるだろう。対象を産業用ロボットに絞り、簡単な基準で測定し、国際的な最低ルールを整えることで回避リスクを減らすべきである。既存税との重複は控除で調整することになるが、それでも完全な線引きは難しく、見えないAIへの対応は別途必要となる。

6. 政策オプションと私案

ロボット課税の代わりに、資本全体に公平な課税を行い、その税収を再分配に充てる方法が有力だ。例えば、法人税の課税ベースを広げ、得られた財源を失業者の再教育や地域雇用対策に使う。私案として、次の3点を挙げたい。①対象は、人と同等の仕事をこなし、独立して生活するアンドロイドや産業用ロボット。②税率は年0.3~0.5%の上乗せ固定資産税(導入初期や研究開発は免除)。③使途は再教育バウチャー、移行手当、地域雇用創出に三等分。これにより、公平性を保ちながら社会の安定を図る。

7. 結論

私は条件付きで賛成する。人と同じ仕事をする自立ロボットが一般化したときに限り、薄く広い上乗せ課税で移行の痛みを和らげるべきだ。新税は再教育と地域支援に直結させ、成長と公正の両立を目指すことが、社会の安定につながることになるだろう。

参考文献

・『生成AIと課税―ロボット課税からAI利用へ』渡辺 徹也/財務省(25/4/3掲載)https://www.mof.go.jp/pri/publication/financial_review/fr_list8/r157/r157_2.pdf

・『AI・ロボット税の議論を始めよう―「雇用を奪うAI・ロボット」から「野良AI・ロボット」まで』泉 絢也/千葉商大紀要 第59巻第1号(2021年7月)file:///C:/Users/user/Downloads/Kiy20210019%E6%B3%89.pdf

日本の「AI国力」の現状と課題について

 現在わが国におけるAIを取り巻く状況は厳しい。日本のAI産業応用は、米国や中国と比較するといくつかの点で優位性と独自性を持っているものの、全体的な競争力では劣勢にあるのが現状だ。

先月12日の日経クロステックで、日本の「AI国力」がわずか2年で世界4位から9位に転落、韓国やアラブ首長国連邦(UAE)に追い抜かれたことがスタンフォード大学の調査で明らかになったと報じられた。UAEは国家主導でAI大学を設立し、人材育成と研究開発を加速。韓国はAI半導体や基盤モデル開発に巨額投資を行い、産業界との連携も強化している一方、日本は政策の一貫性やスピードに欠け、AIスタートアップ支援やデータ活用環境の整備も遅れている上、産学官の連携不足や人材流出も課題で、国際競争力が低下しているというものだ。

 確かに、韓国やUAEは国家主導でAI研究を集中投資しているのに対し、日本は資金配分が分散し、研究スピードの遅さが際立つ。また、AIに限らず日本のスタートアップ企業およびユニコーン企業数の割合は他国に比べて極端に少ない。日本企業の自前主義、規制の厳しさや失敗を許容しない文化が障壁となっていると考えられるが、それに伴って、若手研究者の海外流出や博士課程進学率の低さなどが深刻な状況になっていることも一因として挙げられる。日本のそうした企業や国民による「様子見」姿勢が、AIの導入を妨げ、結果としてAI国力の低下を招いているのではないだろうか。

 では今後、日本のAI国力を高めるためにはどうすれば良いのだろうか。
 一つは、「現場適合型AI」の強化である。製造・建設・インフラ・医療・介護など、日本が得意とする分野に特化した軽量・高精度・高信頼AIの開発実装による差別化を推し進めること。特にスーパーコンピュータや制御技術を活用したAIハードウェア・データセンター分野での国際競争力を強化することである。
 もう一つは、挑戦を許容する文化を醸成することで、AI人材育成とリスキリングを加速させることである。特に、若手・社会人向けのAI教育プログラム拡充と待遇改善を強化しなければならない。若手や外国人が失敗を恐れることなく自由に挑戦し、活躍できる、そして何度でもやり直せる環境づくりは、今やAI国力のみならず、わが国の持続的成長にとっても欠かせない視点であると言えるだろう。(974字)

【参考資料】
・『日本の「AI国力」がわずか2年で4位から9位に転落、韓国やUAEに抜かれた要因』中田敦/日経クロステック(25/9/12掲載)https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/03079/091100019/
・『AI世界競争の中での日本の立ち位置と課題・可能性とは?』ノーコード総合研究所(25/4/3掲載)https://nocoderi.co.jp/2025/04/03/page/5/