2025年外交青書のワードクラウド

【国際協調・多国間枠組み】G7、WTO、安保理、SDGs などの語が大きく、国際ガバナンスや多国間協調の話題が中心であることがうかがえる。
新興国・地域横断の視点】グローバル・サウス、インド太平洋(※出現頻度は上位例に比べ控えめ)といった語が確認でき、地域横断的な視座が含まれている。
【技術・安全保障トピック】AI、サイバー関連語(例:サイバーセキュリティ)や経済安全保障に関わる語が散見され、テックと安全保障の交差領域がテーマの一部になっている。

単にワードクラウドだけを指示しても、助詞や助動詞、接続語などがついてきて読みにくいものが出来た。形態素解析の考え方などを新たに指示するなどして、品詞ベースに名詞・固有名詞のみ抽出して読みやすくする等の工夫が必要なことが分かった。それでも「国際情勢」が「際情」になってしまうなど、名詞が途中で削れているものが散見された。抜き出し方を追加で修正指示しなければならないことも新たな発見であった。

10年前の情勢と外交戦略

10年前の国際情勢は現在のような緊張感はなかったものの、更なる平和国家としての歩みを強めるべく、各国との基盤づくりを強化し、多方面で積極的な外交が行われた貴重な都市であったといえ、日本の外交手腕は高かったと一定の評価を得られています。

ワードクラウド(外交白書10年前との比較)

2025年版

2016年版

2025年版と2016年版の外交白書におけるワードクラウドを作ってみました。ワードを外交関連に絞っています。国際環境の変化を反映して重点が異なります。
2016年版では「積極的平和主義」を軸に、日米同盟強化、近隣諸国との関係改善、TPPなど経済外交が中心でした。中国の軍事拡張や北朝鮮の核開発への懸念、テロや難民問題、気候変動も課題として挙げられています。でもウクライナのワードもあるのですね。
一方2025年版では、ロシアのウクライナ侵略や中東情勢を背景に、法の支配に基づく国際秩序の維持が最重要課題。加えて「インド太平洋」「グローバル・サウス」「経済安全保障」「サイバー」「偽情報対策」など、地政学的競争と技術・サプライチェーンの安全保障が強調されています。
総じて、2016年は協調と経済連携、2025年は分断と安全保障強化がキーワードです。

外交青書2025のワードクラウド

「国際秩序」「国際社会」「グローバル・サウス」「相互依存」「分断」「侵略」などが目立ち、世界のルールや秩序が揺らぎ、国際関係が複雑になっていることがわかる。ロシアのウクライナ侵略や中東の不安定化を背景に、国際社会が「法に基づく秩序を守ること」が重要だと繰り返し語られている。「相互依存」「地球規模課題」という単語からは、経済や技術が安全保障と結びつき、気候変動やAIなど国境を越える問題に協力して取り組む必要性も見えてくる。また「グローバル・サウス」「G7」などの単語から、先進国と新興国の間で利害が複雑化し、より多くの国を巻き込んだ協力が求められる時代であることがわかる。

2024年外交青書のワードクラウド

このワードクラウドは、2024年度外交青書の「情勢認識」部分から抽出した頻出語を視覚化したものです。図から「国際」「外交」「日本」「安全」「協力」「経済」などが際立ち、国際秩序の維持と平和の確保が最重要課題であることが分かります。特に安全保障や経済安全保障に関連する語が多く、地政学的リスクと相互依存への対応が強調されています。また、「グローバル」「サウス」などの語から、新興国との関係強化や多国間協力の必要性が示されています。さらに、気候変動や技術といった地球規模課題への対応も外交戦略の中核に位置づけられています。総じて、日本外交は価値観の共有と包摂的アプローチを軸に、分断を乗り越える方向性を打ち出しています。

2025年外交青書のワードクラウド

【解説】

特に話題であった「新型コロナウイルス」や「弾道ミサイル」などのワードが見られた。また近年話題になっている「SDGs」や「気候変動」に関してもしっかり表示されており、外交青書でも大きく言及されていることが読み取れる。

【苦労した点】

単語を完全表記ではなく、単語が中途半端な形で表示されてしまうことがあった。修正で多くの単語を修正したが、すべて修正はなかなか難しかった。1つ修正するとまた別の単語が不完全な表記に戻ってしまったことが複数回あった。また、助動詞や助詞も表示されてしまったので、単語に限定して表示することがとても時間がかかった。

外交青書2022ワードクランド

このワードクラウドは、PDF内のテキストから頻出する単語を抽出し、日本語の基本的なストップワードを除外して生成しました。主なキーワードとしては 「国際」「外交」「安全保障」「日本」「秩序」「価値」「課題」 などが強調されています。

2021外交青書ワードクランド

 これは、2020年度の日本外交の戦略的焦点と国際情勢の変化を反映していワードクランドである。特に「安全保障」「国際秩序」「中国」「米国」「新型コロナ」などの語が目立ち、地政学的緊張とパンデミックの影響が外交課題の中心であることが示されている。技術革新や地球規模課題への対応も重要なテーマとして浮かび上がっている。

2019外交青書ワードクラウド

このワードクラウドは、2019年の日本外交青書に基づいており、日本外交の重点分野を視覚的に示しています。「経済」「社会」「国際」などの語が目立つことから、当時の日本外交が経済連携や安全保障、地域協力の強化に力を入れていたことがわかりました。

外交青書2023年ワードクラウド

2023年度の外交青書の情勢認識を基づいて、安全保障、経済安全保障、地球規模課題という三つに分けて、個別なワードクラウドを作ります。

1. 安全保障(赤系)

キーワード:安全保障、防衛、軍事、抑止、核、ミサイル、同盟、戦略

意味:
日本周辺の安全保障環境が戦後最も厳しい状況にあることを反映します。
北朝鮮の核・ミサイル開発、中国の軍事力増強、ロシアの侵略などが背景です。
「抑止」「同盟」は、日米同盟や国際協力の重要性を示します。


2. 経済安全保障(緑系)


キーワード:経済安全保障、サプライチェーン、半導体、レアアース、AI、量子、IoT、サイバー

意味
経済と安全保障の融合が進み、技術・資源の確保が国家戦略に直結します。
半導体やレアアースの供給網強化、AIや量子技術の保護、サイバー攻撃対策が重要課題です。
「偽情報」は情報戦の脅威を示します。


3. 地球規模課題(青系)


キーワード:気候変動、環境、感染症、パンデミック、核軍縮、SDGs、グローバルガバナンス

意味
気候変動や感染症など、国境を越える課題への国際協力の必要性を反映します。
「核軍縮」「SDGs」は、持続可能な開発と平和構築の重要性を示します。
「グローバルガバナンス」「国連」は、国際秩序の再構築がテーマです。

まとめ

全体の特徴

  • 安全保障は軍事・防衛関連語が多く、緊張感を示します。
  • 経済安全保障は技術・資源・情報分野が中心で、未来志向を導いて決まりました。
  • 地球規模課題は協力・持続可能性・国際機関がキーワードです。