ワードクラウド(外交白書10年前との比較)

2025年版

2016年版

2025年版と2016年版の外交白書におけるワードクラウドを作ってみました。ワードを外交関連に絞っています。国際環境の変化を反映して重点が異なります。
2016年版では「積極的平和主義」を軸に、日米同盟強化、近隣諸国との関係改善、TPPなど経済外交が中心でした。中国の軍事拡張や北朝鮮の核開発への懸念、テロや難民問題、気候変動も課題として挙げられています。でもウクライナのワードもあるのですね。
一方2025年版では、ロシアのウクライナ侵略や中東情勢を背景に、法の支配に基づく国際秩序の維持が最重要課題。加えて「インド太平洋」「グローバル・サウス」「経済安全保障」「サイバー」「偽情報対策」など、地政学的競争と技術・サプライチェーンの安全保障が強調されています。
総じて、2016年は協調と経済連携、2025年は分断と安全保障強化がキーワードです。

2024年外交青書のワードクラウド

このワードクラウドは、2024年度外交青書の「情勢認識」部分から抽出した頻出語を視覚化したものです。図から「国際」「外交」「日本」「安全」「協力」「経済」などが際立ち、国際秩序の維持と平和の確保が最重要課題であることが分かります。特に安全保障や経済安全保障に関連する語が多く、地政学的リスクと相互依存への対応が強調されています。また、「グローバル」「サウス」などの語から、新興国との関係強化や多国間協力の必要性が示されています。さらに、気候変動や技術といった地球規模課題への対応も外交戦略の中核に位置づけられています。総じて、日本外交は価値観の共有と包摂的アプローチを軸に、分断を乗り越える方向性を打ち出しています。

2025年外交青書のワードクラウド

【解説】

特に話題であった「新型コロナウイルス」や「弾道ミサイル」などのワードが見られた。また近年話題になっている「SDGs」や「気候変動」に関してもしっかり表示されており、外交青書でも大きく言及されていることが読み取れる。

【苦労した点】

単語を完全表記ではなく、単語が中途半端な形で表示されてしまうことがあった。修正で多くの単語を修正したが、すべて修正はなかなか難しかった。1つ修正するとまた別の単語が不完全な表記に戻ってしまったことが複数回あった。また、助動詞や助詞も表示されてしまったので、単語に限定して表示することがとても時間がかかった。

ワードクラウド:外交青書2025年版と2021年版の比較

2025年版、2020年版『外交青書』の「情勢認識」から、ワードクラウドを作成しました。

作成にあたってまず文書の概要を記します。新型コロナ禍やトランプ政権#1政策の影響を受けた2021年版に対し、2025年版ではロシアによるウクライナ侵攻や中東情勢の不安定化など、安全保障に関する課題やリスクの高まりについての記述が目立ちます。

2025年版 外交青書「情勢認識」文書概要

  • 国際秩序の維持・強化(自由・民主主義・人権・法の支配)と、危機の未然防止・国民の安全と繁栄の確保を日本外交の基本命題として提示。
  • 2022年のロシアによるウクライナ侵攻、2023年10月以降の中東情勢の不安定化などを、国際秩序を揺るがす重大事として位置づけ。
  • インド太平洋の安定の重要性、日米同盟の抑止・対処力、拡大抑止の信頼性強化、G7や各地域諸国との連携を強調。
  • 「グローバル・サウス」の台頭、国連や安保理の機能強化の必要性、SDGsや地球規模課題への包摂的アプローチが必要。
  • 経済安全保障(サプライチェーン強靱化、非市場的慣行・経済的威圧への対処、WTOの強化)や、AI・サイバー・偽情報対策などテクノロジー由来の新たな脅威へのガバナンスが課題。

2021年版 外交青書「情勢認識」文書概要

  • 国際秩序の維持・発展(自由・民主主義・人権・法の支配)を日本外交の基本命題とし、危機の未然防止と国民の安全・繁栄の確保を重視。
  • 新型コロナウイルス感染症の世界的拡大により、人間の安全保障が脅かされ、経済・社会構造の変革や保護主義の顕在化など、国際秩序への挑戦が強まったと認識。
  • パワーバランスの変化、新興国の台頭、宇宙・サイバーなど新領域の脅威、技術革新(AI・量子・5G)を背景に、安全保障の裾野が経済・技術分野へ拡大していることを指摘。
  • 東アジアの安全保障環境は急速に厳しさを増し、北朝鮮の核・ミサイル開発、中国の軍事力強化と一方的な現状変更の試みへの懸念を強調。
  • 日本外交の展望として、日米同盟の強化、「自由で開かれたインド太平洋」推進、近隣諸国との安定的関係構築、国際ルール形成の主導、SDGsや気候変動など地球規模課題への対応を提示。

ワードクラウドの作成

2つのドキュメントそれぞれに対し、
Copiotに以下のプロンプト指示を行い、ワードクラウドを作成しました。

このファイルを読み込んで、文章を解析し、ワードクラウドを作成してください。

2025年版 「情勢認識」ワードクラウド(初回)

「このような中」という意味のないワードや、「国際情勢認識と日本外交の展望」「日本が外交安全保障及び経済上の国益を確保」のような単語分割が不十分な点が多く見受けられる結果となりました。

また、「ロシアによるウクライナ侵攻」や「中東情勢の不安定化」など注目すべき国際情勢に関連する単語についても適切に抽出できていないように見えます。

2021年版 「情勢認識」ワードクラウド(初回)

こちらも2025年と同様に、「年の国際情勢と日本外交の展望」など単語分割が適切でない状況が多く見受けられます。

一方で、「新型コロナ」「中国(は)」「安全保障」「自由で開かれたインド太平洋」など当時の国際情勢を踏まえたワードは捉えているようにも見えます。

ワードクラウドの改良

Copilotへのプロンプト指示を以下のように修正して、ワードクラウドを再作成しました。

名詞に限定して単語抽出をしてください。
それぞれのワードクラウドへ表示する最大単語数は200語としてください。。
単語の妥当性判断は文書以外の様々なWeb情報から判別してください。
単語の最大文字数は10文字としてください。

2025年版 「情勢認識」ワードクラウド(改良版)

プロンプトを修正したことで、単語抽出が改善されていることが確認できます。「国際社会」「国際秩序」「安定」など、各地での紛争や分断が拡大する中での、日本がどうあるべきかの課題をよく反映しています。

2021年版 「情勢認識」ワードクラウド(改良版)

2021年版も同様に改善されたことが確認できます。「新型コロナ」が継続する中、中国など周辺国との関係を中心としながら、国際社会とどのように連携していくべきかの課題に取り組む姿勢がうかがえ、2025年との国際情勢の違いを反映できています。